親方コラム

2022年7月2日
名古屋宿舎に入ったが、経験したことのない暑さにびっくりしている。昨日は39度、今日は35度、、、昨日より4度下がったので、35度でも過ごしやすく感じてしまうほどの連日の暑さだ。私のたるんだ体が解けてしまいそうだ。体温より高い気温など勘弁してもらいたい。
私のブログでも案内している通り、名古屋宿舎にて稽古見学を再開する。昨年の名古屋場所では稽古は非公開だったのでぜひ名古屋宿舎近隣の方には力士が頑張っている姿を見ていただきたい。稽古見学の詳細はブログにて確認をお願いします。私にとって名古屋場所は、殊勲賞を頂いたり十両優勝をしたこともあるが、なんといっても相撲人生で最後の一番を取った場所でもある。7年前の名古屋場所の千秋楽は忘れることができない。昨日の夜、何を食べたかは忘れた。思い出せない、、、
西岩
2022年6月20日
梅雨に入り、湿度が高くジメジメしていて、ナメクジのような生活を過ごしている。ナメクジとは例えが悪かった。アジサイのような日々を過ごしている。日本相撲協会の行動規制も緩和され稽古見学ができるようになった。西岩部屋も後援会会員様限定ではあるが稽古見学を再開している。連日のように見学者が訪れ、稽古場にも活気が戻ってきた。稽古後に見学した方々と少し言葉を交わすが、皆さんから同じような有難い言葉をいただいている。「若い力士が汗と砂で真っ黒になりながら頑張っている姿を見て私も頑張ろうと思った。勇気をもらいました」と。ありがたいことである。西岩部屋は関取がいるわけでもないが、頑張っている姿は関取も、序二段も同じである。相撲甚句に「お相撲さんの どこがようて惚れた 稽古帰りの乱れ髪」という歌詞がある。私の髪の毛も天然パーマでいつも乱れている。
西岩
2022年5月7日
審判部から広報部に異動になって初めての場所を迎える。4年勤めた審判部を離れるのは少々寂しい気もするが、新しい仕事を覚えて頑張っていきたい。広報部に異動になったことで、NHKの大相撲中継の解説に復帰することが決まった。早速、夏場所の五日目に北の富士さんと一緒に解説を務めることになった。角界の大先輩と一緒なので緊張するが、5年ぶりの解説は楽しみでもある。今場所は定員の87パーセント上限9265人の開催になる。ちなみに次の名古屋場所は制限を設けず定員100パーセントでの開催だ。少しずつ通常開催に戻りつつある。明日の初日には三月場所初土俵の新弟子達の新序出世披露が行われる。若清、里田中が若の里の化粧まわしを付けて土俵に上がる予定だ。1日だけの若の里復活である。私ではなく化粧まわしの復活である。私の復活は誰も見たくないだろうからやめておく。
西岩
2022年4月25日
若藤岡が今場所より若新(わかあらた)に改名した。入門前に通っていた東大阪相撲道場の恩師は、2月に永眠された千葉公康さん(元幕下新花山)である。若藤岡は千葉さんを頼りにし誰よりも尊敬していた。千葉さんは若藤岡のことをいつも気にかけ頑張りを楽しみにしていた。そして、2月に千葉さんが永眠した際には、誰よりも心を痛めたのが若藤岡であった。私は、なかなか番付が上がらない若藤岡が生まれ変わるには今しかないと思った。恩師の千葉さんから一文字をいただき、千葉さんの意志を継いでもらうために改名を決めた。亡き恩師から一文字いただき心機一転頑張ってもらいたい。いつも千葉さんが見ていると思って頑張ってもらいたい。千葉さんは生前、私と話をするといつも同じことを言っていた。「耕司(若藤岡)には努力することを覚えてもらいたい。番付は関係ない。勝てなくてもいい。でも稽古を頑張らなかったり、努力しなかったら厳しく叱ってください」と言っていた。厳しくも愛情ある恩師の言葉である。若新は、この言葉を忘れることなく、いつも天国から見ていると思って頑張ってもらいたい。「耕司!シコ踏め!」今にも千葉さんの声が聞こえてきそうだ
西岩
2022年4月25日
明日は五月場所の番付発表である。西岩部屋では日刊スポーツ新聞社さんの協力で西岩部屋新聞を作っている。本物の日刊スポーツの紙面のように作っているので、おかげさまで評判がいい。もちろん私のコラムなどよりよっぽど評判がいい。番付発表になると、後援会の皆様には番付表と西岩部屋新聞を発送している。部屋ができてから四年間、毎場所続けてきたことである。そして、西岩部屋新聞が今場所から大きくリニューアルした。漫画家のやくみつるさんが漫画を描いてくれることになった。早速五月場所号の新聞に漫画を描いていただき立派な新聞が出来上がった。やくみつるさんには感謝感謝である。後援会の皆様には明日発送する予定だ。非売品である為、西岩部屋新聞が欲しい方はぜひ後援会に入会していただきたいと思う。こんなことをコラムに書いたら営業活動になってしまうな、申し訳ない、、。そうだ、私は四月から広報部になったので、広報の血が騒いだということでお許しいただきたい。
西岩
2022年4月14日
若金子が本日より入院し、手術を受けることになった。三月場所14日目に左膝を痛め、東京に戻り精密検査を受けたところ手術が必要と診断された。私も膝を三度手術し、膝の怪我には悩まされてきたので、若金子の気持ちは痛いほどよくわかる。若金子はまじめに相撲に取り組み、性格も素直な力士である。だからといって膝の怪我まで私のマネをする必要はないのに、、、。
しかし怪我はマイナスばかりではない。怪我をしたことで成長し強くなる力士はたくさんいる。私も二十数回の入院と九回の手術を経験したが、入院することで新たに学ぶことや新たな出会いなどがあり人間的に大きく成長できる。治療やサポートしてくれる周りの人に感謝することも覚え、リハビリなどで新たなトレーニング方法も学ぶことができる。大きく成長するチャンスである。全てをプラスに変えてもらいたい。高知出身の17歳。まだまだこれからだ。ひと回りもふた回りも成長して土俵に戻ってきてもらいたい。高知の戻りカツオのように。
西岩
2022年4月5日
あっという間に4月に入った。新年度になり、日本相撲協会の新しい職務分担が発表になった。私は審判部から広報部への移動になった。芝田山広報部長の下で協会の為に頑張っていこうと思う。広報部への移動と同時に協会本部(協会執行部)での役割もいただいた。これからは、部屋での弟子の育成と共に、協会の仕事もやっていくことになった。土俵下で弟子の相撲を見ることができなくなったのは寂しい限りではあるが、NHKの大相撲中継で解説などの仕事もできるようになるので楽しみである。そうはいっても、青森出身でなまりがあり、滑舌も悪く、顔も男前ではないので、NHKさんから声がかかるかはわからないが、、、。そうだ、解説が上手く、顔も男前の稀勢の里からトークの稽古をつけてもらおう。
西岩
2022年3月31日
春場所も無事に終わった。若隆景が優勝し、新しいスターが誕生した。体も筋肉質で、顔も良く、優勝インタビューでも好感が持てる受け答えであった。ウルフ再来という記事を新聞で見たが、千代の富士さんみたいなカッコ良さを持っていると感じた。さて、我が西岩部屋は若田中が自己最高位での勝ち越しを決めた。自己最高位での勝ち越しは、なかなかできることではなく力が付いている証拠である。価値ある勝ち越しだ。若金子も勝ち越しはしたが、14日目の取組で膝を怪我してしまった。私も膝の怪我に悩まされたが、膝は致命傷になりかねないので、しっかりと治療して再起してもらいたい。東京は桜も咲き、明日から四月になる。桜の季節に合わせ新弟子二人も合流し、9人の力士で新生西岩部屋がスタートすることになる。
明日はエープリルフールだが、くだらないウソをコラムに書くようなことはしないので心配ご無用である。
西岩
2022年3月6日
昨日3月5日の夕方に寄席に出た。といっても落語デビューではなく、大相撲がっぷり寄席というオンライントークイベントである。片男波親方、立田川親方と三人での出演だったが、何と!ハプニングが!打ち合わせのため開始時間の30分前からZoomを繋ごうとしたがなかなか繋がらず時間だけが過ぎていった。その後も何をしても繋がらず、とうとう開始時間になっても繋がらなかった、、、。そのまま生配信が始まってしまい、結局スマホのFaceTimeでの出演になった。この日を楽しみに料金を払って見て頂いた方、片男波親方、立田川親方には多大なご迷惑をかけてしまった。心からお詫び申し上げます。この影響で私のトークにもキレがなく、トークよりもZoomが繋がなかったことが一番おもしろかったというオチまでついてしまった。
そして何よりもイベント主催者の押しだしましょう子さんに迷惑をかけてしまったことが心苦しく申し訳ない。まさに昨日の私は、肩透かしでしょう子であった、、、。
西岩
2022年2月10日
立春が過ぎ季節は春になったが、実際は東京でも雪が降るなど、とても春とは思えない寒さである。立春の前には節分があった。西岩部屋では大部屋で豆まきをした。力士たちが夜のちゃんこを食べている時に突入して大部屋中に豆をまくという、力士たちにとっては迷惑であろう行為を今年も遠慮無くやらせてもらった。まずは私が力士たちに向かって「鬼は外、福は内」と豆をまいた。次に力士たちに豆を渡し、私に向かって豆をまくようにと言ったが、力士たちは、、、、、。豆を私に投げる大物はいなかった、、。そりゃそうだな、私も鳴戸部屋時代に自分の師匠に豆を投げることはできない。もし投げろと言われたら、ノーコンのふりをして稀勢の里に向かって投げるだろうな。とにかく、今年は豆をまいて新型コロナウイルスの終息を祈るばかりである。
西岩