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2020年8月1日
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今日は七月場所十四日目。三人の力士が勝ち越しをかけて土俵に上がった。まずは若金子。立ち合いから一気の出足で押し倒し。初めての本場所で勝ち越してくれた。これからの長い相撲人生の幸先の良いスタートとなった。若松永は緊張もあったと思うが、冷静に平常心で稽古場通りの相撲で押し出し。こちらも勝ち越しを決めてくれた。三人目は八女の里。今場所は勝ちにこだわりすぎて体が動いてない感じがしてたが今日は落ち着いて相撲を取ってくれた。勝ち越しをかけて土俵に上がるのは緊張して膝がガクガクし心臓が口から出そうになるものだ。その中で今日は三人とも勝ち越しを決めてくれた。全員負けて「西岩沈没」とコラムに書いた日もあったが、今日は全員が勝って勝ち越しを決めてくれた。私も少し肩の荷がおりたような感じがしてホッとした。明日はいよいよ千秋楽。三人の力士が最後の相撲を取るが、西岩部屋としての十五日間の戦いも終わり。夜には部屋で力士とささやかな打ち上げをしよう。さて、勝ち越し賞を封筒に詰めて、明日私が飲むビールを冷やして寝ることにする。
西岩
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2020年7月31日
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今日は七月場所十三日目。各力士は七番目の相撲を取ることになる。今日、西岩部屋で土俵に上がったのは若藤岡一人である。若藤岡の今場所はここまで1勝5敗と元気が無い。負け越したとはいえ最後の相撲は来場所の番付を考えると大切になる。立ち合いは頭から当たっていったが、大きな相手に上手を取られてしまった。こうなっては勝てない。残念ながら6敗目を喫してしまった。若藤岡はまだ17歳でまだまだこれからの力士である。来場所へ向けて頑張ってもらいたい。力士が負ければ師匠の責任だ。もう一度師弟一体となり足腰を鍛え直し頑張るしか無い。とりあえず七番取り終えたのだから、大好物のケーキを食べ、生クリームを口のまわりにたくさんつけてから、来場所に向けて頑張ること。私は今年の一月場所で若藤岡が初めて勝ち越した時の笑顔は忘れられない。まだ一度しか見ていないあの笑顔をもう一度見せてくれ。ケーキを食べる時の笑顔はもう何回も見た。さあ、明日は勝ち越しをかける三人が土俵に上がる。頼むぞ。
西岩
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2020年7月30日
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七月場所もいよいよ十二日目。まずは若大根原。立ち合上がったと思ったら低すぎてすぐに土俵に手をついてしまい残念な負け越しとなってしまった。勝ち越しできる力を思っているだけに残念である。立ち合いを修正することが今後の課題だ。若松永は勝ち越しをかけて土俵に上がった。つっぱり合いから最後は押し倒された。つっぱり合いになってもムキになるのではなく冷静に落ち着いてつっぱることを覚えてもらいたい。一番強いのは平常心で相撲を取ることだということだ。八女の里もそうである。相手に立ち合いで変化され動揺して力を出せなかった。取り組みの中で予想しないことが起きても動揺せずに平常心でいること。やはり相撲は精神力が一番大切だということ。体が大きくても力が強くても簡単に勝てるものではない。精神力と忍耐力が求められる。忍耐力といえば私の名前は忍である。ちょっと脱線したが、泣いても笑っても残りあと一番で今場所も終わり。一人でも多く勝ち越してくれることを願うものである。
西岩
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2020年7月29日
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早いもので七月場所も十一日目。今日は四人が土俵に上がった。まずは若田中。今日は何もできずに負けてしまった。三勝三敗になった。次の相撲は緊張することだろう。頑張ってもらいたい。若箭原も今日は何もできなかった。今日で負け越しが決まったがあと一番あるので勝って場所を終えてほしい。若金子は前に攻める相撲で三勝三敗に戻した。こちらも若田中同様、次は勝ち越しをかけた相撲になる。若藤岡は今日も負けて一勝五敗になってしまった。相手に簡単に上手をあたえてしまうなど元気がない。アニマル浜口さんではないが、気合いだ!気合いだ!気合いだ!というふうな元気を見せてもらいたい。明日は三人が土俵に上がり、そのうち二人は勝ち越しをかけた相撲になる。一人でも多い勝ち越しを願う。今のところ勝ち越しは亀の里だけだ。
西岩
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2020年7月28日
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早いもので七月場所十日目。六人の力士が土俵に上がった。そのうち四人は私が審判の時に相撲を取った。まずは若箭原。立ち合いから一気の押し倒し。相撲未経験で入門し前相撲では一勝もできなかったのに、四ヶ月の間に相撲を覚え序ノ口で二勝したのだから立派なものだ。若大根原は立ち合いが低すぎた。低い立ち合いは良いことだが、低過ぎてもいけない。相撲は難しいと感じている頃だと思う。若金子は立ち合いが高かった。体の柔らかさでうっちゃりを狙ったが寄り倒されてしまった。若大根原のように低すぎても良くないし、若金子のように高くても良くない。相撲で一番難しいのは立ち合いである。若藤岡は立ち合いは良かったが大きな相手とがっぷり組んでしまった。これでは力が出ない。残念ながら負け越しとなった。気持ちを切らさずあと二番頑張ってもらいたい。八女の里は上手投げで勝ったものの本来の相撲ではない。次は本来の押し相撲で勝ち越しを決めてくれ。そして若松永は今日は力負けをしてしまった。力のある相手と対戦し勉強になったと思う。次こそ勝ち越しを決めてくれ。そして亀の里は今日も元気いっぱいだった。おまえも勝ち越しを決めてくれ。
西岩
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2020年7月27日
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今日は七月場所九日目。今日の西岩部屋は全勝だった。なんと!土俵に上がったのはたったの一人。そう、その一人が勝ったから全勝だ。若田中は長い腕でつっぱり、圧力をかけたので相手がバランスを崩し倒れた。立ち合いからつっぱったのが良かった。勝ち越しまであと一つ。デビュー場所で勝ち越しができたらたいしたものだ。頑張ってもらいたい。西岩部屋の「亀の里」は元気いっぱいだ。力士より元気がある。今場所は「亀の里」が福を招いてくれそうだ。
西岩
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2020年7月26日
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七月場所も今日で中日折り返し。今日の西岩部屋は、まずは若大根原が土俵に上がった。大きな相手に一気に押し出されてしまった。軽量の弱点を突かれたと言えばそれまでだが、立ち合いの当たりが弱かった。これも勉強。次は立ち合いを思いっきり当たっていってほしい。若田中はまわしを取ると懐の深さがいきる。最後は得意の右の上手投げを豪快に決めた。若金子は立ち合いは低く鋭く当たることができた。しかし脇が開いてしまい差されてしまった。相手に双差しを許しては勝てない。脇を締めおっつけることを覚えて欲しい。そしてここまで勝ち星のない若藤岡。立ち合いからどんどん前に攻めて最後は投げの打ち合いになった。審判控室でテレビ観戦していた私も思わず声が出た。物言いがつき同体取り直しになった。二番目の相撲は双差しになり一気に攻める内容の良い相撲だったり。やればできるじゃないか!そう心の中で叫んだ。
今日、西岩部屋に迷子?の亀が入ってきた。浅草の街を歩いてきたのだろうか。それとも稽古見学に来たのだろうか。どちらにしても亀や鶴は縁起物だ。大切にしよう。ということで、福をもたらす新弟子「亀の里」が西岩部屋に加わった。
西岩
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2020年7月25日
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今日は七月場所七日目。まずは若箭原が土俵に上がった。立ち合いから一気に前に攻めたが土俵際で逆転負けを喫してしまった。攻めて負けたのだから仕方ない。気にせず攻める相撲を取ってもらいたい。若松永は良いつっぱりが出た。途中で中に入られ危なかったが圧力で押しつぶした。相撲内容に成長の跡がみてとれる。あと一勝で勝ち越し。そしてその先の三段目昇進を目指してほしい。八女の里は、立ち合いは良く、前に攻めたが最後に左の脇が空いてしまった。脇が空いては勝てない。相撲は押す時も、まわしを取る時も、投げる時も脇を締めなければならない。相撲も人生も脇が甘ければ、相手に懐に入られてしまう。甘くていいのはケーキだけだ。
明日は中日。気を引き締めて後半戦を戦ってほしい。
西岩
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2020年7月24日
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今日は七月場所六日目。三人の力士が土俵に上がった。昨日は全員が負けて沈没しただけに今日は勝って浮上して欲しい。まずは若金子。審判をしていた私の目の前で勝ってくれた。立ち合いはあまり良くなかったが、そのあと相手を一気に押し出す圧力には驚いた。日々成長していると感じた。若藤岡は攻防のある相撲だったが最後は押し出されてしまった。負けはしたが力を出し切った相撲を取ってくれた。次の相撲に期待したい。若松永は相手に何もさせず完勝だった。この自粛期間中に急成長した力士と言っていい。このままの勢いで勝ち越してもらいたい。今日は沈没せずに済んだ。明日からも力士一人一人が土俵上で躍動してくれることを切に願う。土俵下で弟子の相撲を見るとドキドキして心臓がいくつあっても足りない。どこかで売ってないものか。ウーバーイーツに頼んでみようか。
西岩
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2020年7月23日
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今日も朝から雨。雨雨降れ降れもっと降れという歌があるが、そろそろ梅雨が明けてカラッと晴れて欲しいものだ。七月場所五日目の西岩部屋は四人が土俵に上がり全員が黒星だった。日本沈没という映画があったが、今日は西岩沈没である。こういう日もあるだろう。旧日本海軍の戦艦大和ですら沈没するのだから仕方ない。勝てば力士の努力の成果、負ければ師匠の指導力不足といったところだろうか。まだまだ序盤戦の五日間が終わっただけ。本当の勝負はこれから。私は深海に生息するシーラカンスではないので明日は沈没しませんように。若金子、若藤岡、若松永、よろしく頼む。
西岩